介護施設

ごはんが食べられなくなったらどうなるの?

ふつうに暮らしている人は、1日に2000カロリー程度の栄養を、食事から摂取しています。

ベッド上寝たきり状態となっても1000カロリー/日程度は必要で、もし口から食べられなくなったらどうしましょうか?

経口摂取

若くて健康な方にとって、とくに意識しなくても食事は日常で、本能的な当たり前の行為と思っているかもしれません。

しかし、少なくとも、

  • しっかり覚醒して
  • 食べ物を認識して
  • 座った状態を維持して

いられなければ、口からは食べられず、

現に施設内では、見守りや介助によってどうにか経口摂取を続けている方も、誤嚥性肺炎をくり返す利用者も日常です。

食べられなくなると

さらに病状や年齢が進み、経口摂取できなくなれば、

  • 水分も取れない場合、1週間程度
  • 末梢点滴(いわゆる点滴)をしても、1-2ヶ月程度

で亡くなる、いわゆる老衰に陥ります。

そこで、もし回避したいのなら、

  • 経鼻栄養:鼻から胃へチューブを入れて、流動食を注入
  • 胃ろう:お腹に内視鏡で穴をあけ、直接胃に栄養
  • 中心静脈栄養:太い深部静脈にルートを留置して、アミノ酸入り高カロリー輸液を点滴

などにより、1日1000カロリー程度を補給し続ける必要があり、

認知症・脳卒中・加齢で、食べられなくなったそのときどうするかは、

  • あらかじめ本人と相談
  • そのとき家族が決定

するしかないわけです。

その際、

  • 延命治療は希望しない

の合意だけでは困るでしょう。

というのも、栄養摂取が “治療” なのか “日常的生理行為” なのかは、その人の哲学次第であり、みんな解釈が異なってしまうからです。

病気で亡くなるときには関係なくても、いわゆる衰弱死する場合も多いことから、

  • 口から食べられなくなったらどうするか?

は、延命治療とは別に、本人・家族間で日頃から相談しておきたいですね。