医学生のときに、
- 医者と坊主と弁護士は、他人の不幸でメシを喰っている
相手の気持ちが理解できる医療人になれ、とよく聞かされました。
いま自分は、
- 必要としてくれる方の期待に応える
ムリのない考え方・働き方をしようと思っています。
救急医療勤務時代

大学を卒業して脳神経外科医となってからは、夏休みの数日間以外、いつでも電話で呼び出されて長時間勤務が日常でした。

ほかに、泊まりのまま全科の初期対応を担当する夜勤もあり、
- 患者さんも家族も、病気やケガで困っている

真剣に丁寧な対応はしていても、やっぱり日々キツすぎて、

いま思い返すと、相手の非日常 と 自分の日常 とのギャップを理解できなくなった時期があったかもしれません。
介護施設勤務となって

1年前から介護施設で働きはじめてからは、救急の対応なく体力的な余裕もできて、自分なりにサービス業を実践できている気がします。

入所される利用者さんは、
- 今まで独居で暮らせていた方
- 家族介護継続が限界となった方
- 病院から自宅退院が困難となった方
みんなそれぞれの事情があるなか、幾つか施設を検討されたうえで、ウチを選んだわけです。

ある意味では、他人の不幸でメシを喰っているのかもしれないけど、どちらかというと暮らしのお手伝いをする姿勢、
- ランチも夕食も提供する、街中華屋さん
- 月に一度来店してもらう、散髪屋さん
- 季節の普段着を売っている、衣料品屋さん

他のサービス業同様に、地域でお客さんから必要とされ、商いを続けさせてもらう感覚です。

そして、ほとんどの利用者さんとは一生のお付き合い、
- 弱る前のエピソードも伺いながら、いま自分たちができることで喜んでもらう

日々お客さんに対して感謝する、いい意味での商人感覚が湧いてくるので、

ひとの不幸でメシを喰う、というキツイ表現ではなく、
- 必要としてくれる方の期待に応える(適正価格で)
という、どの業種にもあてはまる当たり前の姿勢で暮らせています。

こう考えると、どの業界でも、
- 経営陣はムリを成果を求めない
- お客さんはムリなサービスを求めない
- 従業員はムリな賃上げを求めない

だれもムリしない、足るを知るが優先される、そんな心地いい雰囲気のゆるい社会がいいのかもしれませんね。