ビジネスでも家庭内でも交渉ごとをまとめる際に、ゲーム理論の内容がよく紹介されます。
数学的内容は難しくてわかりませんが、基本的に何でも誠実な姿勢で協力し合うのが良いみたいです。
ぜひ、相続でも参考にしましょう。
ナッシュの要求ゲーム
2人のプレーヤーが1ドルを分け合うゲーム、2例を考えてみます。
希望提示額どおり、または 持ち分ゼロ
① それぞれが自分の希望取り分を提示して、
- 両者の提示額総和が1ドル以下なら、2人とも希望額がもらえる
- 両者の提示額総和が1ドルを超えた場合は、交渉決裂なので2人ともお金がもらえない
というルールだったなら、どう振る舞うのがいいでしょう。
② また先に提示順序を決めて、一方がもう一方へ希望額を提示し、
- もう一方が了承すれば、希望額 と その残り とで分け合う
- もう一方が破棄すれば、どちらもお金がもらえない
というルールではどうでしょうか。
揉めないために
もしお金の損得だけを考えるなら、どちらであっても、
- できるだけ大きい額を先に提示
して、相手へプレッシャーをかけるのが正解かもしれません。
しかし、相手の性格や足元を推測しながら個人の利益を最大化する駆け引きは、争いごとへ繋がりやすいです。
それで積極的に、揉めごと や 持ち分ゼロ をスムーズに避けるつもりなら、
- 半分もしくはそれ以下を先に提示
して、相手に遠慮させない程度で喜んでもらうのがいいでしょう。
相続を揉ませないゲーム理論
遺産分割協議を同じように、複数人で5千万円を分けるゲームと例えれば、
まず、同居していた子ども や 長男が希望額を提示し、
- 他全員の相続人が了承すれば、その残りを分け合う
- 他の誰か相続人が破棄すれば、揉め続ける
こんなルールがイメージされます。
そして揉め続けるほど、
- さまざまな優遇制度を利用できない
- 延滞税が加算される
- 兄弟、親戚が仲違いする
結果として、ゼロどころか、みんなが損する最悪の大マイナスだと気づくでしょう。
ぜひゲーム理論の交渉ごとを意識して、みんなそれぞれがちょっと少なめを要求していけばいい気がします。
そしてもちろん、分け合うお金が1ドルなのか5千万円なのか、総額いくらなのか、最初からわかっていた方がよりスムーズにまとまりそうですね。