施設長の個人ネタ

プロに評価されてこそプロ?

素人にとって玄人がすごいのは当たり前で、プロから認められるようなプロになってこそ、という考え方があります。

一方、苦しく成長するよりもそこそこで満足するほうが幸せ、という考え方もあります。

環境 や 年齢 によりますが、無理せずだれかに喜んでもらいながら暮らしていきたいですね。

脳外科医だったころ

外科系の医者は、キホン的に手術が好きです。

というか、そう思い込む環境にいるのかもしれません。

とにかく、

  • 手術がしたい
  • 手術が上手になりたい

そしてその先には、

  • 他の外科医よりもうまくなりたい

となりがちです。

自分も若いころは、日本のトップオペレーター手術を見学に

  • 血管縫合で有名な北海道の匠
  • 頭蓋底良性手術を北米や日本中で請け負う匠
  • 講義形式でリアルタイム手術を見学させてくれる教育研究機関

いま思い返せば、ただスゴ技に感動したくて行っていた気もします。

どの業界でもあるあるでしょうが、やっぱり、

  • プロに認められるようなホントのプロになりたい

恥ずかしながら、当時のわたしも真剣に考えてました。

お客さんが主役

それから大した実績もなく、40代前半で手術をする脳外科医を辞めて 8年、介護施設で働くようになってからは 1年半が過ぎました。

最近自分なりに、マネジメント・経営・商売などについて学ぶほど、

  • 自分が主役

の職人気質では、事業でも家庭でもなんでもうまくいかず、

  • お客さんが主役

という商人マインドこそが大切、と気づいてきました。

負け惜しみかもしれませんが、どれだけ手術が上手になってもひとの役に立たないと意味はなく、

  • 目的:患者さんの病気を治して喜んでもらう
  • 手段:手術技量を上げる

いつのまにか、手段を目的化してしまうゴールのない生き方を、自分も選択していたのでした。

どれだけ上手になってももっと上手なひとは必ずいるので、プロ中のプロを目指すほどいつまで経っても自分も他人も幸せにはなれません。

結局、ビリでもブービーでも何番でもいいので、

  • いまできることで、だれかの役に立つ
  • そのだれかに気づく

競争や勝負事を避け、自分も周囲もそこそこハッピーで暮らすのがいいですね。