年をとって食べられなくなると言えば、飲み込めなくなるイメージの人が多いかもしれません。
そのような嚥下障害以外に、体調不良や食欲低下による食思不振もあります。
嚥下障害と食思不振とでは当初の対策が異なっても、最終的に食べられなくなった時どうするかでは同じです。
嚥下障害

食べ物や飲み物を、うまく飲み込めないのが嚥下障害です。

脳卒中や認知症、加齢などにより、
- 嚥下や咳の反射低下
- 食事姿勢の維持困難

をきたし、場合によっては誤嚥性肺炎をくり返します。

言ってみれば、
- 食べたいけど食べられない状態

対策としては、小さく刻んだり、トロミをつけたり、半固形にしたり、食事形態を工夫するのが一般的です。
食思不振

一方、
- とにかく食べたくない状態

食思不振でも食べられないでしょう。

高齢者にかぎらず、
- 体調不良
- 意欲低下
があれば、だれだって食べられません。
体調不良

感染症、便秘、加齢が進めば食欲はなくなるため、

細菌性感染なら抗生剤、ウィルス性感染では解熱剤や輸液、便秘に対しては内服や座薬を使います。

加齢でなんとなく食べられない場合、まずは励ましながらでしょう。
意欲低下

そして年を重ねるだけで、意欲低下による食欲低下をきたす人もいます。

認知症 や 老人性うつ なら抗うつ薬を処方したり、元来の好物を持ってきたりもしますが、

どれだけ食事介助しても口へ入れさせてくれず、飲み込まないままなら、

高カロリーゼリー食や飲料にして、甘味もあり、少量でも多くの栄養が取れるよう努めます。

そのうえで、食事時間だけにかぎらず利用者さんが食べそうな頃を見計らい、提供・介助している職員のみんなはホントにスゴイです。

このように摂食・嚥下障害へ関わる 嚥下機能と食思それぞれへ対策しても、最終的に食べられなくなった時どうするか、
- 老衰を受け入れる
- 経鼻胃管
- 胃ろう
- 中心静脈栄養

どの選択でも、元気だったころの本人の意向、今現在の家族の意向が優先されます。

いわゆる病気があってもなくても、食べられなくなる時 と 死ぬ時 の状況も期間もみんな違う、だからこそ自分たち家族で決めるしかないですね。
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