脳神経外科診療へ携わっていたころは、交通外傷・転落外傷・脳卒中など、激しい頭蓋内損傷に対して緊急手術を行っていました。
手術しないと命は必ずなくなる、手術して助からないこともありえる、助かったとしても植物状態の可能性が高い、そんな状況も多かったです。
やはり、どこからが “延命治療” なのか、ひとそれぞれ状況でも変わるはずで、ぜひフワッとした使いやすいコトバを避けて具体的に検討しましょう。
使いやすいコトバ

仲間内の雑談で、
- ダイバーシティ
- マーケティング
- マネジメント
- サステナビリティ
というコトバは便利で、使いやすいかもしれません。

しかし、重要な会議 や 面談 では、そのようなフワッとしたコトバによる
- 混乱、取り違え
- 思考停止

を避けるのが一般的です。
混乱、取り違え

たとえば、
- ダイバーシティが重要です
と言われたら、

- どんな多様性(人種?性別?障害?)
- なんのための多様性(成長線楽?リスク管理?法令遵守?SDGsアピール?)
- どこの多様性(お客さん、従業員、株主)
- もしかして多様性でない?
どの多様性に何をしようとしているのか、さっぱりわかりません。

というか、はっきりと定義されにくいフワッとしたコトバでは、発する側と受け取る側でカンチガイが生まれやすいのです。

同様に、マネジメント、マーケティング、サステナビリティなどでも、ひとによって意味が異なる場合も多いでしょう。
思考停止

それに、
- ダイバシティが重要です
フワッとしたコトバ表現をされると、

おたがいなんとなく
- そりゃそうだ
で終わってしまい、意見や反論もなんだか出てこない、

というか、正解へ達したかのような錯覚が生まれやすいのです。

同様に、マネジメント、マーケティング、サステナビリティなど、意識高い系のコトバを仲間内で使うほど、うまくいっている錯覚を起こします。

それで、このような ①カンチガイ ②錯覚 を避けるため、使い勝手のいいカタカナ語ではなく、中学生でも理解可能なわかりやすい表現が推奨されています。
“延命治療” というコトバ

同じ考え方で、家族間 や 医療介護者 と話す際、ぜひ、
- 延命治療
というコトバを使わず、人生の終わりを表現しましょう。
混乱、取り違え

本来、病気の診断治療はすべて、生命を維持するための行為です。

そのなかから区別して “延命治療” とするわけで、
- いわゆる治療行為なんでも
- 助かる見込みがほとんどない医療行為(心肺蘇生・体力低下時の手術や放射線化学療法)
- 放置すると命がなくなる可能性の高い医療介護処置(末梢点滴・食事介助・経管栄養・胃ろう増設)

それとも、治療行為の継続性なのか、管など人工物の有無、それとも本人の年齢や判断能力についてか、

どうしても、関わるひとそれぞれにカンチガイを生じます。
思考停止

しかも、
- ”延命治療” は、本人家族ともに希望しません
こう表現すると、

経験が少ないひとほど
- そりゃそうだ
で終わってしまい、これですべてスムーズに進む、という錯覚が生まれます。

結果として、どの治療を希望しないのか、について気づかないままです。

このように使い勝手のいい “延命治療” というコトバではなく、できるだけ具体的に、
- 心肺蘇生(心臓マッサージ・気管内挿管)
- 侵襲的治療(手術・放射線化学療法)
- 病院での検査(画像検査・検体検査)
- 栄養補助(食事介助・経管栄養・胃ろう増設)
- 水分補給(飲水介助、末梢点滴)
- その他、年齢や判断能力による
などを想定しましょう。

こう見ると、災害も家計も介護も終活も、その他なんでも、使いやすいコトバで先送りせず、わかりやすい表現で具体的に考え、しっかり対策していくのが良さそうですね。
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