多くの人は病院へ行くのがキライで、職場の健診結果が悪くても受診しなかったりします。
一方、施設入所中の利用者では、家族を中心に大仕事となるため、病院受診を控えることも多いです。
病院へ行くと
病院では、医療保険により診断・治療を行っています。
- 問診
- 診察
- 検査
- 診断
という流れで、
①訴え・症状や経過を聞き、
②身体や動きなどの所見をとり、
③疑われる疾患を考えながら、採血検査や画像検査を行い、
④追加検査も行いながら、診断へ至り、
そして病気ならば、治療法の選択肢やその合併症を説明のうえ、治療を開始します。
治療するほどでもなかったとき
その際、診断結果が治療するほどでもなかったとき、
- 健常者
- 介護施設入所者
では、家族の受け取り方が違ってきます。
健常者では
病気ではなくて安心する場合 や 治療をしなくてもしぜんに良くなる場合なども、結果としてはよくあるでしょう。
どちらにしても、日常生活が自立している健常者やその家族には嬉しい診断であり、ちょっとでも気になる症状があればいつでも病院へ行くのが良さそうです。
介護施設入所者では
一方、介護施設では日常生活の介護を行っており、
利用者には自分から症状を訴えられない方も多く、そして施設内に検査機器もなく、病気の診断は基本的にできません。
それで病院へ行くとしたならば、
- 家族へ連絡、来所してもらい、
- 協力病院など診てくれる病院を探して依頼し、
- 介護タクシーを利用して、
- 病院到着後から、問診、診察、検査、診断、治療
と忙しく進みます。
移乗できない利用者も多く、受診のたびに多くの労力や待ち時間・費用などを家族は負担するしかありません。
その結果として、病気ではなかった、経過観察でいい、という本来喜ばしい診断だった場合に、
- 受診しなくてもよかったわ
という感情が、どうしてもわいてしまいがちです。
そのため多くの介護施設では、
- 健常者と同じように、何か症状があれば病院受診
- 明らかに病気であったり、苦痛が強いときに病院受診
- 施設での点滴内服を優先して、病院受診を可能なかぎり控える
あらかじめ家族へ意向をうかがい、そのうえで具合が悪くなった際に電話相談としています。
地方の一施設長として、施設利用者さんのご家族へ引き続きご理解ご協力をお願いするしだいです。